| 2005年7月8日4:00-9:30 |
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| 【コースタイム】 槍平小屋－(170分)－ 千丈乗越分岐－(120分)－ 飛騨乗越－(20分)－ 槍ヶ岳山荘 |
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前日、標高差１０００ｍを７時間以上かけて登ってきました。 この日も同じく標高差１０００ｍを登ります。 しかも急登の連続。 何時間かかってもいいように、朝食はお弁当にしてもらって朝４時に雨の降る中、槍平小屋を出発したのです。 |
槍平小屋をまだ暗いうちに出発しましたが、さっそく高山植物が出迎えてくれました。
しかし残念ながら、この花の名前がわかりません。
葉っぱに特徴があるのですが、本に載ってません。
こちらは、明かに「キヌガサソウ」です。暗いと白い花びらが輝いて見えました。
少しずつ明るくなってきました。
標高が高くなるに連れ、残雪も近くなってきました。
石が積まれた登山道。
こんな道で、２日前に挫折を味わったのです。
その記憶が蘇ります。
「また登れなくなるんじゃないだろうか」そんな不安がよぎりました。
飛騨沢が少しずつその全貌を見せはじめました。
しかし霧がそれを覆い隠して、上を見せてくれません。
まあ、あまり上が見えないほうが、気持ちが滅入らずに済みますけど。
「槍平、槍ヶ岳」の道標。
改めて自分が槍ヶ岳に向かっていることを認識しました。
手元の高度計では２４４０ｍ。
高度ではまだ槍平から半分も来ていません。
あの霧の上あたりが槍ヶ岳でしょうか。
時々、稜線が見えてはすぐに隠れます。
槍平から約３時間、千丈乗越分岐に着きました。
とりあえず一区切りです。
少しずつ「このままいけば上まで行ける」という手応えがつかめてきました。
そうそう、この日は前日の教訓から、ちゃんとザックカバーをつけました。
このあたりから、登山道が雪渓に阻まれるようになってきました。
雪渓に当たる度に、ペンキマークや旗竿をキョロキョロと探しまくりました。
登ってきた雪渓を見下ろしたところです。
どうしてもペンキマーク，旗竿がみつけられずに、雪渓を直登してしまいました。
四つんばいになって雪の斜面を登ってきたのです。
高度を増すに従って、見える花も変わってきました。
これは「ホンシャクナゲ」でしょうか。
こちらの花は、本を見てもみつけられませんでした。
白にピンクの下を向いた花びらが印象的でした。
まるで山菜の「タラノメ」のようなものをみつけました。
天ぷらにしたらおいしそうです。
何度もコースアウトを繰り返しましたが、なんとか登山道らしきところに戻ることができました。
しかし霧で先が見えず、ペンキマークをうまくみつけることができません。
さて、この花もなんでしょうね。
つぼみだから、よくわかりません。
これはたぶん、色からして「キバナシャクナゲ」でしょうか。
一瞬、霧が晴れて、飛騨沢全体が見渡せました。
さっきは横にあった奥丸山への稜線が、あんなに下の方に見えます。
かなり高度を稼ぐことができたようです。
そして高度を稼げば稼ぐほど、雪に道を阻まれることが多くなってきました。
さあ、ここも矢印に従って、雪の中を歩くしかないようです。
雪の斜面から下を見下ろしたところです。
滑落したら、この斜面をずーっと下まで落ちていきそうです。
また霧が深くなってきました。
そして雪渓に行く手を阻まれ、案内のペンキマークがみつけられません。
思わず、「どっち？」と叫んでしまいました。
どうやら石が盛り上げられているので、これが登山道のようです。
霧の中、赤い旗竿をみつけました。
なんとかコースに戻ることができたようです。
そして、倒れている旗竿をみつけたので、しっかりと石の間に差して立てておきました。
さて、またお花クイズです。
葉っぱの色の濃さが違いますが、どちらも「ハクサンイチゲ」だと思います。
本には「槍ヶ岳飛騨沢の群生は見事」と書いてありますから、まさにココを代表する花です。
どうやらやっと「上」が見えてきたようです。
あとは道に迷っても上を目指せば大丈夫でしょう。
そしてこの岩の間を通りぬけると、「飛騨乗越」に出ました。
かなりの突風が吹いていたので、写真を撮ることはできませんでした。
しかしその突風の中、「俺にも登れたぞ」と大声で叫びました。
槍ヶ岳の頂上よりもここでの感動の方が大きかったです。
ここまで来れば、槍ヶ岳に登れることは確実ですから。
飛騨乗越からひとつピークを越えると小さな小屋らしきものが出てきました。
もう槍ヶ岳山荘は目前のようです。
そして、霧の中に槍ヶ岳山荘が見えてきました。
いつもインターネットのライブ画像で見ていたこの風景。
槍の穂は見えないけど、やっと着いた、って感じでした。
9:30、槍ヶ岳山荘に到着です。